2011年04月04日

フィギュアを作る

フィギュアを作ると言っても、その製作方法はたくさんあります。

おおまかには、次のふたつに分けられるでしょう。

1 木や石、パテの固まりからカタチを削り出していく方法。
2 粘土を盛りつけながらカタチを出していく方法

1の方法は狭義の意味で彫刻と呼ばれ、できあがったものは彫像です。
2の方法は彫塑ですね。できあがった像は塑像と呼ばれます。

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(彫刻法の例。パテをシリコン型で塊にして、カッターナイフで削って造形する)

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(彫塑法の例。粘土をこねて造形する)

現在、フィギュアを作っている方々のほとんどが、このどちらかの方法で製作していると思われます。

このふたつ以外の方法として、コンピュータを使用した3DCG造形があります。

ポリゴンやボクセルなどを使い画面上で造形したモデルを光造型機等で立体出力する方法であり、プロの業務ではかなり普及しています。
しかしこれは、これから造形を始めようとする方々にとってはまだ特殊な方法ですので、ここではあまり触れないことにします。

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(3DCGの例。PCの画面上だけで造形していく)

それでは、1の方法と2の方法ではどちらがいいのか? ということになると、これは簡単には決定できません。
基本的には個人の好みの問題、と言ってしまってもいいでしょう。

難易度と作業性から言えば、彫塑方式の方が、全体の行程を通して扱いやすい方法だと思います。

粘土を使う彫塑方式は、何度も気の済むまで造形の繰り返しができ、粘土の削り盛りでボリュームのコントロールが自由自在です。

それに比べ彫刻方式は、一度削り落とした部分の再盛り付けに手間を必要とします。
パテなら再盛り付けも可能ですが、木材や大理石なら盛り付けは不可能です。

これが、彫塑よりも彫刻の方が一般的に高く評価される所以だと思いますが、フィギュアを作る場合は、そのような一般的評価よりも作業性を優先することをお勧めします。

なぜならフィギュアの場合、ほとんどが「原型」として作るからです。
このブログでも、最終的には複製作業まで行うつもりですので、これから製作していくフィギュアを原型として扱います。

「原型」とは何か? を詳しく説明し始めるとけっこう大変なことになるのですが、おおよそのところで、複製を取るための元のカタチ、とお考えください。

世の中に出回る工業製品には、すべて原型が存在します。
コンピュータ内のデータから直接金型を作るという方式もありますが、フィギュア的な製品にはまず間違いなく原型があると考えていいでしょう。

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(工業製品の原型と製品の例)

たったひとつの原型から型を作り、そこから大量にコピーを作るわけです。

その最初のひとつを作る人が、いわゆる原型師(原型士、原型屋)です。
複製を作るための元型を作るからこそ、「原型」師なのです。

複製を作り、その複製こそが人目に触れる製品になるわけですから、原型そのものの作り方には個人の好み以上のこだわりを持たせる必要はありません。

大理石を彫刻して原型を作ってももちろんかまわないわけですが、原型としては、こだわる部分を間違えていると言わざるを得ないでしょう。

したがって、このブログでこれから作るフィギュアの製作方法として、作業性が最も優れていると考えられる、彫塑方式を採用したいと思います。

当然のことながら、フィギュアは作りたいが複製などするつもりはない! という方もいらっしゃるでしょう。

いらっしゃるでしょうではなく、もしかしたらそういう方々の方が多いのかもしれませんが、その場合は原型ではなく、ワンオフ(一品物)の造形物ということになります。

ワンオフモデルの場合、製作方法はそれこそ自由です。
大理石を使ったミケランジェロ、木材を使用した運慶など、ワンオフモデルに制限はありません。

しかし、これから造形をやってみたいとお考えなら、私はやはり、まずは粘土を使った彫塑をお勧めします。

作業性ももちろんですが、それ以上に、自由気ままに造形ができるという部分が何よりも大きいメリットだと考えるからです。

まずは、とにかく気楽に造形を始めてみる。
それが一番大切なことだと思います。

posted by fgdiary at 23:49| Comment(3) | 日記

はじめまして

はじめまして。

松村克也といいます。

これからしばらく、ここでフィギュア製作の実演を行っていきます。

このフィギュア製作ブログは、フィギュアを作ってみたいけど方法がわからないという方や、フィギュアってどうやって出来ていくのだろうという興味をお持ちの方など、いわゆる初心者の方々を対象に進めていくつもりです。

必要な道具や素材の解説から始め、製作するフィギュアのデザインやサイズ、製作の流れを随時報告し、最終的には複製、塗装あたりまで行えればと考えています。

初心者向けですので、あまり複雑な作業や特殊な道具などは使用しない方針ですが、参考のためにときおりそのような雑談的話題にも触れることがあるかと思います。

もしかしたら参考のための雑談の方が多くなる可能性も否定できないのですが、とりあえずなるべく脱線しないように気を引き締めて行っていきたいなと、現時点では考えています。

なお、このブログ内で行う作業方法や使う道具、素材などは、すべて私個人が良いだろうと判断して使用しているものであり、全ての方々にとって使いやすいというわけではありません。

造形やその周辺作業に正解はありませんので、このブログの記事もあくまでも参考にとどめていただき、実際の作業時には各自の判断で使いやすい道具や素材を選択していただきたいと思います。

なかなか頻繁には更新できない不定期連載的なブログになるかとは思いますが、どうぞお付き合いをお願いします。

posted by fgdiary at 22:44| Comment(2) | 日記